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環境包装設計事例の紹介と解説

今月は、掃除機の梱包材のコスト低減に挑戦した事例を紹介します。
この設計にあたって客先からいわれた条件は「先入観なしに、掃除機の梱包を”0”からして欲しい、なので条件はいいません」とのことでした。
私は、これまでの経験から、次のような持論があるだけに今回の「条件」はとてもきついものでした。

私の持論:梱包材の形状は、条件が決める(逆にいうと、条件がないと仕様は決まらない)。

そこで、通常は客先から聞き出す条件を今回は自分で勝手に想像、条件を想定して設計を行うこととしました。

写真 現行の梱包仕様写真1
左の写真が設計の際に客先から貸し出されたもの。
一見雑に梱包されているように見えるかもしれませんが、無駄が一切なく、梱包の順番を間違えただけで入らなくなってしまいます。
また、梱包材の構成は次のようになっており、これまた無駄のない仕様になっています。

梱包材:(1) 外装ケース (2) 内装パット(1枚)

無駄がないということは、梱包のVA提案が厳しいことを意味し、困難が予想されました。

※参考までに次のパターンを実行してみたが、梱包できなくなってしまった。
・外装ケースの巾方向を-10mm変更した。
・それに合わせて、内装パットをバランスを取りながら小さく修正した。
つまり、現行梱包材には10mmの余裕すらないということです。

そこで、次の2方向から提案できる内容を検討していきました。

  1. 内装パットを簡易化、材料の削減を目指す。
  2. 1を実行することで、外装ケースの寸法を小さくし、コンテナ(10t)への積載効率を上げる。
写真2
結果、左図面のような提案(左端が現行仕様中央と右端が提案したもの)を行いました。

中央のパットは現行のパットを斜めに抜き4角を落とす(梱包時に影響が少ない程度まで)ことで、使用材料を削減しようというものです。

右端は、壁の1面を簡易な形状に変更・代用することで、現行仕様に比べ、約3割削減したものです。

※これで梱包する場合、現行の配置とは違うものになります。
さらに、このパットを使うことで、外装ケースの内寸を5mm詰めることができます。

この提案の結果、客先の興味を引くことができ、評価の対象になりました。現在、その回答待ちの状態です。

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