包装設計事例 〜段パレ桁材と湿気との関連性について〜
今月は、段ボールパレットで生じた問題について紹介します。
現在、当社製の4方差し段ボールパレットを使用されているお客様より、次の問題を指摘され改善するよう要請がありました。
問題 : 桁材が潰れており、輸送中に桁材が潰れてフォークが差せなくなるのではないか?
図1 4方差しパレットの桁材
写真1 桁材潰れ外観
しかし、新たな心配事として、湿気対策の要請がありました。これから日本は梅雨に入ることや仕向地が雨季に入ることから、その強度に不安を抱いたものです。
そこで、雨の日に桁材を会社の玄関(社員通用口)に約6時間放置、湿気を与えた状態でその強度にどれくらい影響があるかの試験を実施しました。
気温は平均17℃、湿度 約80%に6時間放置しました。結果、触っただけで水分を多く含んでいるのがわかる状態にまでなりました。
この状態で圧縮試験を実施したところ次のような結果となりました。
室温23℃、湿度50%の状態の圧縮強度783kgf⇒上記の状態のものの圧縮強度455kgfおよそ42%も劣化したこととなります(水分はおよそ11%でした)。
この試験結果を受けて、同社に対し、2方差しのパレット形状にて対策として提案する予定です。