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包装設計事例 〜段パレ桁材と湿気との関連性について〜

今月は、段ボールパレットで生じた問題について紹介します。
現在、当社製の4方差し段ボールパレットを使用されているお客様より、次の問題を指摘され改善するよう要請がありました。

問題 : 桁材が潰れており、輸送中に桁材が潰れてフォークが差せなくなるのではないか?

図1 4方差しパレットの桁材

図1 4方差しパレットの桁材
そこで、潰れた段ボールパレットを回収、原因を探ることにしました。
まず、「潰れた」事象について解析してみました(中に入れてある補強材まで潰れているか確認しました)。
外枠をカッターにて切り、中の補強材の高さを測ると新品と同じ90mmを保っていました。
つまり、中の補強材は潰れていませんが外枠部分が口を開いたように開いてしまったため、潰れた外観を呈したのが「潰れた」事象であったことが分かりました。
※ 写真1 の黄色○部分の状態

写真1 桁材潰れ外観

写真1 桁材潰れ外観
次に、このような外観に至る原因を考察しました。
桁材は左上の図1のように作成されるのですが、今回潰れた桁材には次の問題がバラした際に分かりました。
問題(1) 側面部の糊貼りが甘い
問題(2) 桁材の底部が濡れて乾いたような跡があった

このことから、今回の事象の流れを次のように解析しました。

側面部の糊貼りにバラツキがあり、糊貼りの甘い部分がさらに湿気等の水分により糊剥がれが生じた。
結果、上からの荷重により潰れ、口を開いた状態になり、これが外観上「潰れた」状態になってしまった。

この内容を客先に説明、対策として糊貼りの強化対策を提案今回の事象についてはご了承いただきました。

しかし、新たな心配事として、湿気対策の要請がありました。これから日本は梅雨に入ることや仕向地が雨季に入ることから、その強度に不安を抱いたものです。
そこで、雨の日に桁材を会社の玄関(社員通用口)に約6時間放置、湿気を与えた状態でその強度にどれくらい影響があるかの試験を実施しました。

写真2 放置状態

写真2 放置状態

写真3 気温と湿度

写真3 気温と湿度

写真4 桁材の試験時状態

写真4 桁材の試験時状態

気温は平均17℃、湿度 約80%に6時間放置しました。結果、触っただけで水分を多く含んでいるのがわかる状態にまでなりました。
この状態で圧縮試験を実施したところ次のような結果となりました。
室温23℃、湿度50%の状態の圧縮強度783kgf⇒上記の状態のものの圧縮強度455kgfおよそ42%も劣化したこととなります(水分はおよそ11%でした)。

この試験結果を受けて、同社に対し、2方差しのパレット形状にて対策として提案する予定です。

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